32115842.JPG著者 近藤健/著
出版社名 講談社 (ISBN:978-4-06-287956-9)
発行年月 2008年08月
サイズ 254P 18cm

 私は、アメリカが大嫌いなのだが、冷静にその「嫌い」を分析してみると、アメリカ政治が嫌いであって、そのアメリカ政治を支持しているアメリカ国民も嫌いなのだ。しかし、ここは冷静に。実際にこの本を手にとって目次を読んでもらいたい。文字通りいろいろなことを「反米主義」ということを主題に広範に取り上げられている。読者としては、広範に取り上げられているので、興味があること無いこともあるであろうが、「いろいろなことが論じられていることに驚きを感じる」かもしれない。それこそ、「近代の超克」も出てくるし数学者・藤原正彦の『国家の品格』も出てくるし、エドワード・W・サイードも出てくる、と書けばわかってもらえるかも。それだけ、いろいろ論じられているので感想を書くのが難しくもあるのだ。実際に読んでいただきたい。読んで良かった、と思える本だ。教養ある人でも自分の知らなかったことがたくさん出てくる! ちょっとしどろもどろ。

本の内容
反米主義という現象から、まともなアメリカ批判、対米経験からくる、また出来事への反応としての反米感情などを削ぎ落としてみると、反米主義の内実は、資本主義システムのなかで大量消費文化の性質である浪費と破壊と格差をいかに抑制するかという望ましい資本主義をめぐる自分探しである、といえるのではないか。政治・経済・文化のアメリカ化に世界が抵抗している。

目  次
第1章 反米主義をつかまえる(素朴な疑問
ブッシュの罪
反米主義現象のとらえ方 ほか)
第2章 アメリカニゼーションの恐怖(無意識のアメリカ化
文化は商品か
ハリウッドはアメリカ化の先兵か ほか)
第3章 屈折した心理 日本の場合(人種(主義)という通奏低音
排日移民法と原爆投下
「アジア主義」の気分 ほか)

著者情報
近藤 健(コンドウ ケン)
1933年生まれ、国際基督教大学卒業。毎日新聞社入社後、サイゴン特派員、ワシントン特派員、外信部長、ワシントン支局長、論説委員などを務める。退社後は国際基督教大学教授、愛知学院大学教授を務める。専門はアメリカ研究

32114701-00.JPG著者/訳者名 坪井善明/著
出版社名 岩波書店 (ISBN:978-4-00-431145-4)
発行年月 2008年08月
サイズ 254,4P 18c
価格 819円(税込)

 ベトナムについて何を知っているだろうと考えた時、最近では、日本の女性達がベトナム旅行をしているとか。どういう目的なのか? ベトナム料理か、あるいはベトナムの雑貨が目的? ベトナム戦争といっても、すでに終結したのが1975年でしたから、もう知らない人の方が多いのかもしれません。ベトナムは、それまで30年あまり独立のための戦争をしていたことを頭の片隅に置いておいてほしい。30年も戦争? 日本の敗戦からだから1945年から1975年まで。だから30年になる。しかし、その前にもフランスの植民地だったり、日本軍の占領時代もあったから30年どころではないのだ。そう考えると、何と過酷な運命に置かれた国だろうと思う。ベトナム戦争中は、戦略爆撃機B52によって枯れ葉剤がばらまかれ、これは、別の言い方をすれば、ダイオキシンをB52によってばらまかれたと言ってもいいものだ。何と、極悪非道なことをされたのだろう!

 ベトナムがアメリカとの戦争で勝利して、世界の人達は、少なくとも反戦ということに意識がまわっていた人達は、ベトナム人の闘いを尊敬の眼差しで見ていたのもつかの間、程なく隣国のカンボジアへと侵攻していったベトナムには失望を持った人達も多かったであろう。中国が中華人民共和国を打ち立てた余勢で独立国・チベットを武力併合したり北朝鮮軍と合同で南進して朝鮮戦争になったり、という構図と同じであった。勝利すると、どこか気が大きくなるもののようだ。

 1979年に中国とベトナムが戦争をしたという記憶をお持ちの方もいるでしょう。16日間で終わった、とこの本を読んで知った。中国は、アメリカの了解を取り付けて行ったと知った。その頃は、中国とソ連が仲が悪く、ベトナムはソ連に与していたから、戦争も起きたのだろう。隣国カンボジアは、ポルポト政権が毛沢東主義を極端なかたちで政策を実行して、自国民を大量虐殺をしていたのも、その当時の政治情勢に大きく影響している。ベトナムは、カンボジアにヘンサムリン政権という傀儡政権をつくって10年以上もカンボジアに干渉し続けていた。カンボジアから完全撤退したのが1989年の9月であった。

 表面的に知っていることを思いつきで書いたが、ベトナムの過去と現在を現実的にも理論的にも包括的に知るには、この本が最適なように思いました。新書だからたかだか250ページ。でも、コンパクトにまとまっていて、しかも、学者の書いたものだから、理論的にもまとまった書物として読むことができます。共産主義政権の独裁を、今後どのように民主化していくのか、というような問題を考えるのに参考になると思います。
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31540987.JPG著者/訳者名 持田叙子/著
出版社名 人文書院 (ISBN:4-409-16088-5)
発行年月 2005年05月
サイズ 242P 20cm
価格 2,415円(税込)

 最近読んでいる本です。永井荷風を題材に作家や評論家が本をいろいろ出していますが、たいがいどれもおもしろい本が多い。これもその一つです。永井荷風という作家がそれだけ魅力ある人物だということでしょう。このあいだ、NHKをみていたら永井荷風を扱った番組(私のこだわり人物伝-永井荷風“お一人さま”の天才)があって、興味深くみることができました。

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本の内容
抑圧的な明治エリートの父親、その父親に痛々しく仕えた母、ご飯や味噌汁のにおいをかぐだけで何の楽しみもなくやつれ死んだ母の哀しみを思い出してしまう主人公。あるいはショコラの香りにつつまれて、パリの雑誌に手をのばしながら正月元旦にいぎたなく朝寝をむさぼる荷風の自画像-作品のそこかしこに見られる作家の意外かつ不思議に豊かな女性性に注目し、独身者として個を貫く生き方にすっかり魅せられた現代女性の熱い思いが横溢した出色の作家論。

目  次
米のご飯はハハの敵
一緒にレストランへ
デパートと荷風
百合の花咲くそこは-荷風の少女憧憬
小径、花園、荷風
夏の花、夏の孤独
白薔薇の季節に
朝寝の荷風
灯火繚乱
涙の東京
ネギをさげて、高らかに自由を
薔薇色のエゴイズム-或る荷風ファン

著者情報
持田 叙子(モチダ ノブコ)
1959年、東京生まれ。慶応義塾大学大学院修士課程、国学院大学大学院博士課程単位修了。青山学院女子短期大学・国学院大学兼任講師

31928180.JPG著者/訳者名 副島隆彦/著
出版社名 徳間書店 (ISBN:978-4-19-862010-3)
発行年月 2007年07月
サイズ 254P 20cm
価格  1,575円(税込)

 この著者の本を読むのは初めてです。昔、研究者の英和辞書を徹底的に批判して裁判沙汰になったことは知っていますが、それ以来の邂逅です。近頃の金融危機で、この問題をどのように考えたらいいか、調べるため公立図書館のサイトで検索していたらこの本に出会いました。

 かなり個性の強い本ですし、著者です。個性が強いのだけど田中宇氏とも違うし、反中国・親米・親靖国神社の櫻井よしこ氏とも違う評論家です(たまたま、最近読んだ評論家を持ち出しただけです)。サブプライムローン問題が根っこにあってアメリカの大手投資銀行が相次いで破綻し、ドルが暴落し金融恐慌もやってきて、著者の主張に耳を傾けるあたいがある本だと思います。ただし、政治学や社会学等をいろいろ広く知った上で読むべき本でしょう。何も知らないでこの著者の本を読むべきではないように思います。この著者の信奉者などになったら、特に若い人などは危険に思います。どのようにして、このような強い個性になったのか知りたくてウィキペディアをみてみました。学生の頃の高い志と実社会に出て荒波をくぐり抜けて、いまは、小金を持ったジジババを相手に利殖の本を書いている自分と、余計なお世話だが、どのように統一しているのだろう?! 若い頃の志は「若気の至り」とでもいうのだろうか?

 この本を読んでいて気になったことが二三あります。二酸化炭素の温室効果を正しく理解していないで、60~70年代の大気汚染が地球の温暖化をもたらすように考えている節があります(P85)。それから、Windows というパソコンの基本ソフト(OS)のことを、「インターネットにつなげる基本ソフト」というような記述がありますが(P226)、これも明らかな間違いです。という例に示されるように、著者は、サイエンスに詳しくないのが明らかなように感じました。

本の内容
目先の円安と低金利に騙されるな。やがてドルは暴落し、円は1ドル=80円へ。そして、金融恐慌が世界を襲う。いまこそ資産を金・ユーロ・人民元に移せ。

目  次
第1章 2008年末からドルが大暴落しアメリカ帝国は衰退する
第2章 世界はこうしてドルに騙された
第3章 かくてドル覇権は崩壊していく
第4章 日本はどこまでアメリカに毟られるのか
第5章 アメリカが衰退し、中国が次の超大国になる

著者情報
副島 隆彦(ソエジマ タカヒコ)
1953年、福岡市生まれ。早稲田大学法学部卒業。外資系銀行員、予備校講師を経て、常葉学園大学教授。ベストセラー『預金封鎖』(祥伝社)、『英文法の謎を解く』(筑摩書房)などの著者として知られる碩学。日米の政界・シンクタンクに独自の情報源を持ち、金融経済からアメリカ政治思想、法制度論、英語学、歴史など幅広いジャンルで、鋭い洞察と緻密な分析に基づいた論評を展開。また、副島国家戦略研究所(SNSI)を主宰し、日本人初の「民間人国家戦略家」として講演・執筆活動を続けている

31442218.JPG著者/訳者名 大井幸子/著
出版社名 日本経済新聞出版社 (ISBN:4-532-16484-2)
発行年月 2004年10月
サイズ 327P 20cm
価格  1,890円(税込)

 今年(2008年)9月からあらわになった世界的な金融危機をつうじて感じたことは、経済のグローバル化がすすんでいるこの世の中で、身近な庶民の生活も大きく影響を受けるということです。アメリカ人が、サブプライムローンで住宅を取得したり住宅バブルで現金を取得したりしていたが、一見これらは日本人になんの関係もないものと思っていたことが、昨夏のサブプライムローン問題が顕在化して以来囁かれていた金融危機が現実のものになり、世界的に影響が出始めて庶民は慌てはじめています。何を隠そうその一人が私なのだが、世界の経済・金融の仕組みを知らなすぎると思い知らされました。

 金融工学とかヘッジファンドとかを少しでも知るのにこの本を読んでみました。小説仕立てで読みやすいのですが、金融の仕組みとか詳しくは「読んでもよくわからなかった」というのが本音です。金融エリートという人達の生態が描かれていて、私としては、「うんざり」とした気持ちで読んでいました。エリートがすばらしいという気持ちはこれっぽっちも持っていない私としては、読んでいて苦痛そのものだったが読み通しました。それでなにかが得られれば、という気持ちがあったからです。その筋の生活の一端がかいま見られたのは、収穫かもしれません。彼らが世の中の一端を動かしているのは事実だし、それが私たちの生活に大きく影響を及ぼしている事実が許せない気持ちになりました。「ふざけるな!」という気持ちです。この本の最後の方(P316)に「金融危機が津波のように押し寄せてくるその前兆のようなものを感じた。」と主人公が告白しています。この本が出版されたのは、2004年秋でしたが、今日の金融危機を予測していたのでしょうか?!

本の内容
本書は、一九九八年ロシア危機から二〇〇四年七月までの約六年間を時間軸に、ウォール街の投資銀行やヘッジファンド運用会社の経営陣、トレーダー、投資家、そして、運用者と投資家の間に立つコンサルタント、弁護士、国際税理士など、ヘッジファンド業界に携わるさまざまな人びとが往来・交差する模様を描き出す。

目  次
第1章 ロシア危機
第2章 ノン・ランダム・ウォーク理論
第3章 ファンド・レイジングの新展開
第4章 ITバブル崩壊と九・一一テロ
第5章 ファニー・ファンドの新ビジネス
第6章 ヘッジファンドの新潮流
第7章 アメリカ社会に生きる
第8章 ヘッジファンドの進化
第9章 リスク・コントロール

著者情報
大井 幸子(オオイ サチコ)
1981年、慶応大学法学部政治学科卒業。83年、同大学院経済学研究科修士号取得。85年からフルブライト奨学生としてアメリカのスミス・カレッジとジョンズ・ホプキンズ大学院高等国際問題研究所に留学。87年、慶応大学大学院経済学研究科博士課程修了後、明治生命保険国際投資部勤務。89年、格付け機関ムーディーズ社へ転職。以後ニューヨークのリーマン・ブラザーズ、キダー・ピーボディにて債権調査・セールスを担当。2001年4月、Strategic Alternative Investment Logistics(SAIL),LLCをニューヨークに設立。現在、同社マネージング・ディレクター

32081110.JPG著者/訳者名 ビル・エモット/著 伏見威蕃/訳
出版社名 日本経済新聞出版社 (ISBN:978-4-532-35313-1)
発行年月 2008年06月
サイズ 401P 20cm
価格  1,890円(税込)

 読み応えのある本です。例えば、北朝鮮の金正日の重病説(脳卒中?)がつい最近報道されていますが、彼がもし亡くなった場合、どういうことが起こるか、考えたことがあるだろうか。大混乱が起こる可能性は高い。一番影響があるのは韓国だから、韓国の報道は、金正日が回復しつつあると報道しているが、アメリカ当局者はそのようには見ていない。当然日本にも大きな影響があるだろう。P314 あたりに書かれているので、それを参考にいろいろ考えてみるのは、いまだからこそなおさら重要だろう。

 北京オリンピック前のチベット問題に対する抗議行動が盛んに行われていましたが、そもそも「チベット問題」とはいかなるものなのか、ということも書かれています。「2007年に中国政府が、チベットの高僧の転生すべてを政府が取り仕切るというあらたな規制をもうけた P296」と書かれていいるが、どうなんだろう、私はあ然としてしまいました。中国に宗教の自由はない、といってしまえばそれまでだが、チベットの人達は納得いかないだろう。こういう事実を一つ一つ知っていけば知っていくほど、中国の矛盾を感じられるわけです。もちろん、日本についても書かれています。

 中国とインドは、1962年、国境をめぐって紛争が起こった。国境問題も書かれていて、歴史的にも複雑であるが、分かり易く書かれている。もちろん、日中間にも尖閣諸島をめぐる問題で、中国側は自国の領土だと主張している。
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P1040096-00.jpg著者名 三輪節生/著
出版社名 石風社 (ISBN:4-88344-070-2)
発行年月 2001年05月
サイズ 284P 19cm
価格 1,890円(税込)

 この本は、長崎県諫早市近辺の諫早湾干拓事業をめぐる問題点を書いた本です。同時に諫早湾の持つ自然の豊かさも書かれています。地元に住んでいない私たちは、テレビニュースなどで干拓事業を進めるために作られた潮受け堤防の水門を閉じる「ギロチン」の映像で記憶に残っている人は多いと思います。

 問題が多いこの公共事業をなぜごり押しするのか?、疑問を感じてこの本を手にしてみました。必要性の少ない公共事業の問題点がぎっしり詰まった典型として「諫早湾干拓事業」が描かれています。更に、諫早湾周辺の干潟の持つ浄化能力の高さが何度も書かれています。干潟の浄化能力というのは、人々はあまり知らないのではないでしょうか。私も今回この本を読んではじめて知りました。干潟をつぶして下水事業に莫大な予算をつぎ込まねばならない地方自治体の転倒したやり方に怒りも覚えるくらい、この事業はクレージーさがあふれています。

 干潟の浄化能力といのは、簡単に言えば干潟に住む無数の貝類やカニ、ゴカイを含む底生生物が有機物を餌にする。そして、泥に穴を掘りその穴に酸素が供給され腐敗を防いでくれる。無数の貝類を水鳥たちが餌にする。という循環で水質が浄化されるというメカニズムです。

 この事業につぎ込むお金は、約2500億円。この予算をつぎ込むなら、その予算の数分の一で川の堤防補強などや排水ポンプの設置をして洪水対策をした方が合理的だ、というのが著者の主張です。農地だって、いまでは全国にあまっている。無理して干拓事業をする合理的な理由は無しだ。推進派は、長崎県と諫早湾周辺の市町村自治体と農民。大きな被害を受けているのは、漁業者たち。「よそ者が口を挟むな」という偏狭な根性も気になるところです。

 希少種の渡り鳥が、干潟をつぶすことで激減した事実も出てきます。心が痛みます。諫早湾というのは、たくさんの渡り鳥の中継地でもありました。

 この本を読んでいて率直に感じた感想は、繰り返しが多い。同じ記述が何度も出てきて閉口してしまいました。もっと圧縮できたのではないか。

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32087126.JPG著者/訳者名 渡辺将人/著
出版社名 講談社 (ISBN:978-4-06-287949-1)
発行年月 2008年06月
サイズ 245P 18cm
価格  777円(税込)

 私にとっては、一気に読むことができた新書です。アメリカについて考える場合、宗教について分析する場合もあれば、「保守とリベラル」という切り口で分析する場合もあります。本書の場合は「保守とリベラル」です。

 著者は、まだ30代そこそこの研究者ですが、アメリカに長く住んでいたようで、しかも、実際に選挙にも携わった経験をいかしてよどみなく筆は進む感じで本書は書かれています。何ヶ月かアメリカに滞在して本を書くというアメリカ研究者にありがちなタイプではなく、実際アメリカで仕事をした(民主党の選挙活動)強みが本書には現れているように感じられます。

 一言で「保守とリベラル」といっても、いろいろな多様性があることが本書を読み進む内に分析されています。かなり詳しく書かれているので、読み進むには忍耐が必要に感じました。こういう多様性をふまえた上でアメリカについて分析しないと一面的な考えに終わってしまう恐れがある事を肝に銘じなければなりません。

 スターバックス・コーヒーのリストラが最近のニュースに上がっていましたが、このコーヒー店を利用するのは、民主党支持者が多いというのもはじめて知りました。クアーズビールをおもに飲むのは、共和党支持者のライフスタイルというのも、初めて知って納得です。日本人には知らないことがいっぱい詰まっています。一度読むことをお勧めします。

本の内容
アメリカ人はみんなワシントンが嫌いだ!日本からはわからないその意外な素顔。スタバ好きはリベラル!?知らないアメリカ発見の旅へ。

目  次
第1章 「保守」と「リベラル」
第2章 都市 移民のシェルター
第3章 南部 怒りの独立王国
第4章 信仰 共同体にひそむ原理主義
第5章 メディア 大衆化の舞台装置
終章 自由主義 アメリカ精神の奥底

著者情報
渡辺将人(ワタナベ マサヒト)
1975年東京生まれ。シカゴ大学大学院国際関係論修士課程修了。ジャニス・シャコウスキー米下院議員事務所、ヒラリー・クリントン上院選本部=アル・ゴア大統領選ニューヨーク支部アウトリーチ局(アジア系集票担当)を経て、テレビ東京入社。報道局経済部にて「ワールドビジネスサテライト」ディレクター、取材センター政治部記者として総理官邸、外務省、防衛庁、国会を担当。テレビ東京退社後、コロンビア大学ウェザーヘッド研究所を経て、ジョージワシントン大学ガストン・シグール研究センター客員研究員。専門は米政治外交

32041073.JPG著者/訳者名 山岡道男/著 浅野忠克/著
出版社名 アスペクト (ISBN:978-4-7572-1476-7)
発行年月 2008年04月
サイズ 239P 21cm
価格  1,680円(税込)

 この本は、単にアメリカの教科書を翻訳したものではなく、日本の実情にあったかたちでアレンジされているので違和感なく読むことができます。内容は、高校レベルの知識ですが、実用性が高く重要な概念・用語は何度も繰り返して書かれているので勉強に役立つように書かれています。経済の基礎知識を身に付けたい人には、社会人でも実用になる内容です。

本の内容
アメリカでは、高校生からパーソナルファイナンスを学ぶ!金利、貯蓄、投資、税金、保険、需要・供給、株式、債券、リスク、リターン、トレードオフ、インフレ、デフレ、起業、インセンティブ、費用、便益、GDP、輸出・輸入、為替レート。NCEE(アメリカ経済教育協議会)のスタンダード20を日本人向けにアレンジ。経済とお金のことがすらすらわかる!

目  次
第1章 家計の経済学 どうすればお金を増やせるのか?(希少性—資源は有限、人間の欲望は無限
インセンティブ 人間の選択は損得に左右される ほか)
第2章 企業の経済学 経営者は利潤の最大化を目指す(起業家—より大きな報酬のために起業する
企業 個人的欲望の充足V.S.利潤の獲得 ほか)
第3章 金融の経済学 銀行から上手にお金を借りる方法(家計と銀行 あなたの信用で利息は決まる
企業と銀行 銀行はお金の仲介者 ほか)
第4章 政府の経済学 政府も市場も失敗をする(パーソナルファイナンス国債編 国債の利回りで景気がわかる
財政政策 政府は企業の代わりに公共財を作る ほか)
第5章 貿易の経済学 日本は再び鎖国できるか?(貿易 自由貿易は世界全体の生活を豊かにする
外国為替相場 為替レートは通貨の需要と供給で決まる)

著者情報
山岡 道男(ヤマオカ ミチオ)
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授。1948年、東京生まれ。早稲田大学大学院経済学研究科博士課程中退。学術博士(早稲田大学)。専門は、アジア太平洋地域の国際交流論、経済学教育論

淺野 忠克(アサノ タダヨシ)
山村学園短期大学コミュニケーション学科専任講師。1951年、東京生まれ。早稲田大学大学院経済学研究科修士課程修了。専門は、国際経済学、経済教育論、高等教育論

読書していた時に聴いていた曲です。

32057957.JPG著者/訳者名 金子勝/編著 高端正幸/編著
出版社名 岩波書店 (ISBN:978-4-00-023848-9)
発行年月 2008年04月
サイズ 205P 20cm
価格 1,785円(税込)

 大都会でない地方に住んでいるものにとって、いま一番切実に感じていることは、このままここに住み続けられるのだろうか? という疑問ではないだろうか。医者にかかりたくても病院がない。介護を受けたくても、いろいろ制限があって実質受けられない。老後になって、少ない年金で生きていけるだろうか? そもそも、年金受給時になって、年金制度が崩壊しているかもしれない! 地方格差、所得格差。そもそも、このようながたがたの社会にした張本人がいるはずだなのに、人々はそれに気付いていないようだ。「改革」「改革」と叫んでいる政治家たちが、実は改革でもなんでもなくこの国を滅ぼそうとしているんではなかろうか? と考えたこと無いだろうか? どうも、この本を読んでいると、政治や経済を司っている支配層が、それをやっているように思えてくる。与党自民党は、一周も二周も遅れてアメリカやイギリスの「新自由主義経済」「新保守主義」を追及しているように思えてくるし、実際やっている。

 この本では、個別具体的な問題に即して、この国でいま問題になっていることをえぐり出し、解決策を模索している。個別具体的な問題で、いま何が問題なのかをしっかり頭に入れておかないと、テレビその他で問題を提起されても、何が問題なのかもわからない状態にされているのが国民の実情だろう。

 わかりやすくこの本に興味を持ってもらうために、この本での第7章以降に掲げられている中見出しを掲げておこう。

・根源は中曽根政権期にある
・「行革」は自治体へのツケ回しだった
・歪められた三位一体改革
・財政力格差の拡大と「東京問題」
・取舵を切れない福田政権
・大胆な地方への財源保障を
・バブルが奪ったもの
・なぜ中山間地の農業が必要か
・失敗する規模拡大の農政
・医療崩壊そして介護崩壊も
・遠のく地方分権

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