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 政治家やエコノミストが「構造改革」という時、それは何を意味しているか理解している人はどのくらいいるのだろうか。そして「構造改革」をすることによって本当に日本経済がよくなるのかどうか、それも、どのくらいの人が理解しているのだろうか。専門家の人が「構造改革」を口にすることによって、庶民には理解できないものにしているように思えてくる。

 そもそも「構造改革論」とはどういうもので、そこにどのような問題がはらまれているのか、この本を読むことで少しはわかったような気持ちになりました。このような本をしっかり読んだ上で、政治家やエコノミストの「構造改革論」を批判的に見ていかねばならないのだろう。テレビに出てくるエコノミストがデタラメな意見を垂れ流している、というのが私の実感だが、これを見破るためにもしっかりした知識を身に付けたい。この本は、それに役立つだろう。

著者/訳者名 松原隆一郎/著
出版社名 日本放送出版協会 (ISBN:4-14-001963-8)
発行年月 2003年05月
サイズ 252P 19cm
価格 1,019円(税込)

本の内容
なぜ、不況から脱却できないのか。構造改革が進める日本型経済システムの解体とともに、終身雇用制など生活の拠り所への信頼は崩れ、将来不安が生じる。不安ゆえに人々が消費を控えることが消費不況の真因ではないか。不良債権処理論やインフレ目標論などを批判的に検討し、若者の間に広まる新しい消費スタイルに新生の希望を探りながら、信頼を瓦解させるだけの小手先の「改革」を超えて、金融や雇用制度への信頼を回復するための成熟した経済政策のあり方を考える。著者渾身の経済再建論。

目  次
第1章 構造改革の罠(一九九〇年代の経済政策の軌跡
何をめざしているのか?構造改革の11の主張)
第2章 日本の経済社会に何が起きているのか?長期不況論(消費不況という奇妙な現象
長期不況の原因と帰結?制度崩壊が引き起こす不安
構造改革論はなぜ制度の解体にこだわるのか ほか)
第3章 市場社会が直面する新たな現実?信頼の崩壊から再生へ(生産要素と市場化の限界
グローバル資本主義の不安定性
都市再生政策の病理 ほか)
終章 経済社会のゆくえ

著者情報
松原 隆一郎(マツバラ リュウイチロウ)
1956年、神戸市生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。専攻は、社会経済学、相関社会科学。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授



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