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 政治家やエコノミストが「構造改革」という時、それは何を意味しているか理解している人はどのくらいいるのだろうか。そして「構造改革」をすることによって本当に日本経済がよくなるのかどうか、それも、どのくらいの人が理解しているのだろうか。専門家の人が「構造改革」を口にすることによって、庶民には理解できないものにしているように思えてくる。

 そもそも「構造改革論」とはどういうもので、そこにどのような問題がはらまれているのか、この本を読むことで少しはわかったような気持ちになりました。このような本をしっかり読んだ上で、政治家やエコノミストの「構造改革論」を批判的に見ていかねばならないのだろう。テレビに出てくるエコノミストがデタラメな意見を垂れ流している、というのが私の実感だが、これを見破るためにもしっかりした知識を身に付けたい。この本は、それに役立つだろう。

著者/訳者名 松原隆一郎/著
出版社名 日本放送出版協会 (ISBN:4-14-001963-8)
発行年月 2003年05月
サイズ 252P 19cm
価格 1,019円(税込)

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著者/訳者名 松原隆一郎/著
出版社名 筑摩書房 (ISBN:978-4-480-06491-2)
発行年月 2009年05月
サイズ 297P 18cm
価格 903円(税込)

 経済学を少しでも理解できるようになりたいと考えてどのくらい経つだろうか。かなりいろいろ本を読んではいるが、理解できるまで遅々として進まない。経済学説史の本を読んでみた。アダム・スミス以来いろいろな学者(ほとんどがイギリス・アメリカ人)が、それまでの学説を批判しながらいろいろな説を発表しているのがわかる(当たり前だが)。批判を読んでいると、それまで理解できなかった批判されている学者の説が、何となく輪郭が見えてくるような気がする。それだから、経済学説史を勉強する意味があるのだろう。60年代のサムエルソンや、去年(2008年)のリーマン・ショック以来のミルトン・フリードマンに対する評価も、かなり劇的に変化しつつある。経済学の考え方というのは、「科学」というよりは、その学者の信念のようなもの、つまりイデオロギーに近いもののように思えてくる。また、今では忘れ去られている学者の説も著者によって光が当てられていて、興味深い。

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