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著者/訳者名 広瀬隆/著
出版社名 集英社 (ISBN:978-4-08-720489-6)
発行年月 2009年04月
サイズ 238P 18cm
価格 756円(税込)

 今回の衆議院選挙で民主党が大勝し、国民新党と社民党との連立政権を組んで鳩山内閣が発足したのは、2009/09/16 でした。「金融 郵政改革」担当大臣に就任したのが亀井静香(72)です。彼は、もともとは自民党の代議士で、郵政民営化に反対だったので、小泉純一郎が仕組んだ4年前の郵政選挙によって自民党にいられなくなって飛び出し国民新党を結成した。その亀井氏が、今度は「金融 郵政改革」担当大臣に就任したのだから、その亀井氏の動向が注目されるわけでして、「小泉劇場」というか「政治の劇場」が続いているとも言えなくはないです。

 ところで、この郵政民営化というのは、実のところ日本国民には何もわかっていないのが実情ではないでしょうか。私も、よくわかっていませんでした。過疎地の郵便局がなくなる問題とか、身近な問題に惹きつけて考えていたりします。あるいは、郵政の職員が国家公務員の身分でいる必要があるのか、とか言われもしました。独立採算制で行っているのだから国家公務員の身分でいても何ら問題ない、と何かで読んだこともあります。結局、郵政民営化というのは、あるいは、郵政選挙とは何だったのかわからないまま、国民は踊りに踊ったわけです。

 この本を読むとわかりますが、郵政民営化というのは、アメリカの要求だったのです。アメリカが要求するというのは、何か裏があるのではないか、と考えねばならないでしょう。広瀬氏は「日本に眠っている郵貯という巨大な金融資産を市場に吐き出させ、アメリカのウォール街が自在に使えるようにするため」(p230)、思慮のない小泉元首相をたぶらかして行った、と主張します。

 金融危機(広瀬氏は、「金融腐敗」と呼べと言います)のまっただ中で、アメリカ政府は、巨額の財政赤字を抱えている中、世界各国、とりわけ日本と中国にアメリカ国債を買ってもらいたくて仕方がありません。郵政が民営化されていけば、やがて郵貯と簡保であわせて334兆円もの国民の資産がアメリカ国債やウォール街への投資としてアメリカに流れていくのではないでしょうか。財務大臣の藤井氏は、円高容認発言をしているようです。今のアメリカドルは、このままでは大暴落するのではないでしょうか。そうなると、国民の膨大な資産は紙くず同然と化します。

 この本を読むと、経済がグローバル化した国際金市場では、国際金融マフィアともいえるウォール街の連中の恐ろしい行動が、実体を動かしている人物とともに見えてきます。是非、一度は読んでおきたい本です。

本の内容
金融市場で誰が何を仕組んできたのか!?
AIG、シティグループなどが実質的に国有化されるなど、資本主義が大崩壊しはじめた。本書は、この未曾有の混乱を誰が招いたのか、ことの本質を明らかにし、日本人の資産を守るべく警鐘を鳴らす。

目  次
第1章 自作自演の仮面舞踏会に酔った金融大国(リーマン・ブラザーズ倒産窶狽アとの本質
過去の歴史から何を学ぶか窶柏「界大恐慌
原油価格と穀物価格はなぜ高騰したか ほか)
第2章 誰がこのような世界を創り出したか(最大の責任者は財務長官ロバート・ルービンとローレンス・サマーズ
シティグループの誕生と現在のアメリカ銀行界
ウォール街から証券会社は消えたのか ほか)
第3章 日本がとるべき新しい進路(リーマン・ブラザーズたちが日本に残した足跡
日本はアメリカの奴隷国家か
日本政府が買いこむ外貨は何に使われるのか ほか)

著者コメント
今や世界中の経済が混乱して、膨大な数の人びとが苦しめられています。その一方で、みなさん、景気をよくする方法や、貧困者の救済を議論していますが、待ってください。経済パニックが大火事だとすれば、火元の火を消さないで、私たちは助かるでしょうか。異常な物価変動と、景気や労働者の貧困問題が解決するでしょうか。パニックの原因が、金融機関の腐敗にあることは、歴然としています。それなのに、最大の火元であるウォール街の責任者を批判するエコノミストが現われないのは、日本の七不思議の一つです。私たちはもっと毅然とした態度で、政治家や経済界に向かって、世界的な金融腐敗を根っこから断つよう、要求するべき時です。その目的のため、一体地球上で、誰のせいで、何が起こり、どのような悪事が放置されているかを、すべての日本人に知ってほしいと思って、分りやすく書いたのが、この本です。誰もが、黙っていないで声を上げましょう。

著者情報
広瀬 隆(ヒロセ タカシ)
1943年東京生まれ。作家。早稲田大学卒業。近年、アメリカ合衆国の権力構造を政財界の人脈調査から精力的に分析・研究



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