アメリカの同時多発テロのあとに起こった事件で、これも外国のテロリストの仕業であるかもしれないと恐れられた事件だ。しかしながら、炭疽菌を分析してみると、どうもアメリカ軍のものらしいということがわかって以来、アメリカの当局もマスコミも黙りを決め込んでいたのだった。こんな恐ろしいものをつくっていたから、「それを試してみたい」という人物が現れるのも、ある意味必然的なことであると思える。こんな事を研究しているから罰が当たったのだと考えるのは、間違っているか?
炭疽菌事件で訴追予定の科学者が自殺、治療研究の第一人者 : 国際 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
【ワシントン=宮崎健雄】米ロサンゼルス・タイムズ紙などは1日、米同時テロ直後の2001年秋、米議員事務所などに炭疽(たんそ)菌入りの封書が送られ、5人が死亡した事件で、連邦捜査局(FBI)が近く訴追する予定だった科学者が自殺したと報じた。
この科学者は、メリーランド州フォート・デトリックの陸軍感染症医学研究所で勤務していたブルース・アイビンス氏(62)。7月29日、薬物の大量摂取で死亡した。
アイビンス氏は炭疽菌治療研究の第一人者で、事件当時、FBIにも協力していた。捜査当局は、治療法の研究の一環として事件を起こしたとみているという。
同研究所は、生物・化学兵器の研究施設として知られ、早くから複数の関係者が捜査対象となっていた。
(2008年8月2日11時10分 読売新聞)
著者/訳者名 渡辺将人/著
出版社名 講談社 (ISBN:978-4-06-287949-1)
発行年月 2008年06月
サイズ 245P 18cm
価格 777円(税込)
私にとっては、一気に読むことができた新書です。アメリカについて考える場合、宗教について分析する場合もあれば、「保守とリベラル」という切り口で分析する場合もあります。本書の場合は「保守とリベラル」です。
著者は、まだ30代そこそこの研究者ですが、アメリカに長く住んでいたようで、しかも、実際に選挙にも携わった経験をいかしてよどみなく筆は進む感じで本書は書かれています。何ヶ月かアメリカに滞在して本を書くというアメリカ研究者にありがちなタイプではなく、実際アメリカで仕事をした(民主党の選挙活動)強みが本書には現れているように感じられます。
一言で「保守とリベラル」といっても、いろいろな多様性があることが本書を読み進む内に分析されています。かなり詳しく書かれているので、読み進むには忍耐が必要に感じました。こういう多様性をふまえた上でアメリカについて分析しないと一面的な考えに終わってしまう恐れがある事を肝に銘じなければなりません。
スターバックス・コーヒーのリストラが最近のニュースに上がっていましたが、このコーヒー店を利用するのは、民主党支持者が多いというのもはじめて知りました。クアーズビールをおもに飲むのは、共和党支持者のライフスタイルというのも、初めて知って納得です。日本人には知らないことがいっぱい詰まっています。一度読むことをお勧めします。
本の内容
アメリカ人はみんなワシントンが嫌いだ!日本からはわからないその意外な素顔。スタバ好きはリベラル!?知らないアメリカ発見の旅へ。
目 次
第1章 「保守」と「リベラル」
第2章 都市 移民のシェルター
第3章 南部 怒りの独立王国
第4章 信仰 共同体にひそむ原理主義
第5章 メディア 大衆化の舞台装置
終章 自由主義 アメリカ精神の奥底
著者情報
渡辺将人(ワタナベ マサヒト)
1975年東京生まれ。シカゴ大学大学院国際関係論修士課程修了。ジャニス・シャコウスキー米下院議員事務所、ヒラリー・クリントン上院選本部=アル・ゴア大統領選ニューヨーク支部アウトリーチ局(アジア系集票担当)を経て、テレビ東京入社。報道局経済部にて「ワールドビジネスサテライト」ディレクター、取材センター政治部記者として総理官邸、外務省、防衛庁、国会を担当。テレビ東京退社後、コロンビア大学ウェザーヘッド研究所を経て、ジョージワシントン大学ガストン・シグール研究センター客員研究員。専門は米政治外交
注文していた本が、やっと届きそうです! 注文してた本は『WordPress2.5でつくる!最強のブログサイト』です。いやー長く待った。