北大初のノーベル賞受賞者ということで、特に北大関係者、学生、卒業生は喜んでいるでしょう。私の父も、北大の学生だった(北大中退した)こともあり喜んでいました。東北大学では、2002年の田中耕一さんが受賞しており、北海道大学からも受賞者がでないかと待っておりました。

 鈴木教授は、北海道江別市に在住ということで、同じ江別市民として大変名誉なことです。
江別市  おめでとうございます。 鈴木章・名誉教授 2010年のノーベル化学賞受賞決定!

鈴木章氏、北大初のノーベル賞受賞者 (スポーツ報知) – Yahoo!ニュース

スポーツ報知 10月7日(木)8時0分配信
 スウェーデンの王立科学アカデミーは6日、2010年のノーベル化学賞を、製薬や電子産業など幅広い分野で使われる有機化合物の合成技術を開発した鈴木章・北海道大名誉教授(80)と、根岸英一・米パデュー大特別教授(75)に授与すると発表した。日本人のノーベル賞受賞は益川敏英・京大名誉教授ら4人が受賞した08年以来、2年ぶり。化学賞では下村脩・米ボストン大名誉教授に続き計7人に、ノーベル賞全体では計18人となる。鈴木、根岸両氏に加え、リチャード・ヘック米デラウェア大名誉教授(79)も、今年の同賞を受賞した。

 3氏の受賞理由は「有機合成におけるパラジウム触媒によるクロスカップリング」。安定しており反応させづらい炭素原子同士を、金属のパラジウムを含む物質を加えることで容易に結合させることを可能にした革新的な技術だ。3氏は、別々の物質を反応の目印として使い、それぞれ効率を飛躍的に上昇させた。

 思い通りの構造の化合物を作る技術は、血圧降下剤、抗がん剤、エイズ薬など医薬品の合成に道を開いた。コンピューターの画面に使われる有機発光ダイオードや液晶テレビの品質向上にも寄与。さらに、農薬など日常的な製品に幅広く応用され、工業生産の縁の下の力持ちともいえる。

 1979年に合成法を発表した鈴木氏は、北大初のノーベル賞受賞者となった。学内では発表直後に快挙の報が放送され、学生らから歓声が上がった。同日夜に鈴木氏は学内で会見。少し緊張した様子で喜びを語った。

 知らせを受けたのは午後6時20分ごろ。「ワイフ(妻)が電話に出たが、外国人に英語が通じなかったのか、すぐ切られた。『アンビリーバブル(信じられない)なことが起こったのでは』と言ったら、『そんなことないでしょ』と(妻に)返された」と振り返った。

 自身は堅実な研究者で、教え子には「重箱の隅をほじくる研究をするな。誰もやっていないような研究をしろ」と促す熱心な教育者でもある。時に「教科書に載るような発見をしろ」とハッパをかけた。酒好きで、以前は学生を連れてよく飲んだという。年1回、自宅に学生を招きジンギスカンパーティーを開き「飲んだら奥さんの話をする愛妻家」という横顔も持つ。

 「森や水もある札幌は研究にはよいところです」と感謝した鈴木氏。「資源のない日本には、人間の頭しかない。理科系に、もう少し若い人が興味を持ってほしい」と現状を嘆きつつも「何歳まで生きられるか分からないが、若い人たちの役に立つ仕事がしたい」と語った。

 授賞式は12月10日にストックホルムで開かれ、賞金1000万クローナ(約1億2000万円)は3氏で分け合う。

 ◆鈴木 章(すずき・あきら)1930年9月12日、北海道むかわ町(旧鵡川町)生まれ。80歳。54年に北海道大理学部を卒業後、博士号を取得して59年に同学部助手。61年に工学部助教授。米パデュー大への約2年間の研究留学を経て、73年、北大工学部教授に就任した。94年に北大を退官後は北大名誉教授、岡山理科大教授、倉敷芸術科学大教授などを歴任。2004年に日本学士院賞を受賞。札幌市在住。

ノーベル化学賞 鈴木章氏と根岸英一氏ら3人が受賞 (毎日新聞) – Yahoo!ニュース

毎日新聞 10月6日(水)18時58分配信

 スウェーデンの王立科学アカデミーは6日、10年のノーベル化学賞を、医薬品や工業製品の製造に欠かせない有機化合物の革新的な合成法を開発した鈴木章・北海道大名誉教授(80)、根岸英一・米パデュー大教授、米デラウェア大のリチャード・ヘック博士ら3人に授与すると発表した。日本出身者の受賞は08年の南部陽一郎氏(米国籍)▽小林誠氏▽益川敏英氏=いずれも物理学賞▽下村脩(おさむ)氏=化学賞=に続く快挙で、化学賞受賞は2年ぶり。日本人受賞者数は、南部氏を含め18人(医学生理学賞1、物理学賞7、化学賞7、文学賞2、平和賞1)となった。授賞式は12月10日にストックホルムで開かれ、賞金1000万スウェーデン・クローナ(約1億2800万円)が贈られる。

 身の回りの工業製品の多くは、炭素原子が骨格となる有機化合物だ。しかし炭素原子同士は結合しにくい性質がある。それらを自在に結合させるため、多くの科学者が努力してきた。

 鈴木氏は79年、有機化合物の炭素同士を効率よく自在に結合させる化学反応を発見した。

 鈴木氏は北大助教授時代に米国留学し、ホウ素を含む有機化合物の研究を始めた。有機ホウ素化合物は水やアルコールと混ぜてもほとんど変化しないため、新物質の合成には使えないと考える研究者が多かったが、鈴木氏は「変化しにくいからこそ安全に扱える」と考えた。帰国後の79年、パラジウムを化学反応を仲介する「触媒」として使い、有機ホウ素化合物から目的の有機化合物を効率的に作る方法を確立。この反応は「鈴木カップリング」と名付けられた。

 一方、根岸氏はパラジウムまたはニッケルを触媒として使い、炭素同士を結合させる反応を77年に報告。これは「根岸カップリング」と命名された。

 両者の業績は、医薬品から工業製品まできわめて幅広く応用されている。

 両氏の発見を改良し、多くの日本人研究者が新たな反応を次々と開発。有機合成化学分野が「日本のお家芸」として発展するきっかけとなった。

追記 2010/11/12
CoSTEP|北海道大学高等教育推進機構科学技術コミュニケーション教育研究部門
電子ブックで鈴木章氏の業績を解説
2010年ノーベル化学賞の受賞が決まった鈴木章氏(北海道大学名誉教授)の業績を、わかりやすく解説した電子ブックを制作し、11月10日に公開されました。読むことができます。電子ブックがどんなものかも、体験できます。

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