1、2セットをポーランドにとられたので、しかも最近、ポーランド戦は、分が悪いので、このままずるずると負けるのか? と思っていましたが、3セット目をとったのでひょっとしたら勝てるかも、と思ってみていたら、あれよあれよという具合に勝ってしまいました。逆転勝利、ドラマチック! 観ていて非常におもしろかった。
2010女子バレーボール世界選手権 エントリーメンバー14名
国際大会 :日本バレーボール協会 – 2010女子バレーボール世界選手権
10月29日(金) 日本 VS ポーランド戦
戦評
いよいよ待ちに待ったこの日がやってきた。世界一を決める熱い女の戦い、2010世界バレーが大阪、浜松、松本、そして東京の四都市で華々しく開幕した。
メダル獲得に挑む日本の初戦の相手はポーランド。今年に入ってからの対戦成績は1勝1敗、近年、日本にとって好敵手となっているヨーロッパの美女軍団だ。ポイントゲッターのスコブロニスカは今大会不参加だが、逆足のエース・グリンカが復帰。そのグリンカと、攻守の要ベルブリンスカ、そして、大型エースのカチョル。この3人を軸に高い攻撃力とディフェンス力が魅力のチーム。
第1セット、先取点を決めたのは日本。ポーランドのラインスパイクを山口がレシーブ、竹下から放たれたレフトへとのトスを木村が鮮やかに決める。この1 点で波に乗った日本は、木村のインナーへの軟攻、山口のフェイント、江畑のレフトスパイクで得点。ベルブリンスカに狙いを定めたターゲットサーブも機能し、リードを広げる。しかし、中盤でポーランドが爆発。アグネシュカがサーブで木村に狙いを定めると、レフトからベルブリンスカが自在のスパイクで得点、連続6得点中5ポイントを上げる活躍で日本に追いつくと競り合いに。日本は井上の連続ブロックなどで突き放すが、ポーランドも粘りを見せジュースに。しかしそこで木村の放ったバックアタックがサイドラインを割り、得点を献上。ポーランドがセットを先取する。
なかなか波に乗れない日本に対し攻撃の手を緩めないポーランド。グリンカの強烈なスパイク、ベルブリンスカの硬軟織り交ぜたスパイクなどにほんろうされてポーランドを攻略できず、逆に日本はポーランドのフロントだけでなく、粘りのフロアディフェンスの前に、攻撃を封じ込められてしまう。やっと終盤で、山本がブロード攻撃を決めて日本らしいプレーを見せたが、点差をつめることができずにセットを連続で落としてしまう。
あとがなくなった日本、第3セット、ブロックの高さを出すために山口に代えて栗原、江畑に代えて迫田を投入。これが奏功する。
中盤の競り合いから抜け出したのは日本。佐野がアンダーで上げた短いトスを走りこんだ木村がバックアタックで得点、このワンプレーで目覚めた日本のエース。木村がサーブで攻め、井上のブロックも出て波に乗った日本がセットを奪い返す。迫田が得意のバックアタックを決めると相乗効果で木村のリズムも整い、さらに相手ブロッカーが割れたことで、サイドアタックの決定力も上がった。セット間、「アタック効果率以外の数字は日本がすべて上、とにかくアタックだけ頑張ろう」と、眞鍋監督が選手たちに指示したとおり、
攻撃の歯車が回りだした日本がセットを奪い返す。
第4セットに入っても日本の勢いは泊まらない。迫田のバックアタックでポイントを奪うと、木村がクイックに入った井上をおとりにパイプ攻撃を決め、エンジン全開。山本の長短織り交ぜたブロードも決まると日本ペースで試合が進む。このまま押し切るかに見えたが、日本は中盤でミスを連発、木村のラインスパイクがサイドラインを割り、竹下が珍しいトスミスを犯し、ポーランドに逆転を許す。集中力の切れたプレーが目立つ日本に対し、冷静にゲームを進めるポーランド。20-22とリードされ、ピンチに。しかし代わって入った中道が好リードでアタッカー陣を操ると、ムードが上昇。逆転でセットを奪い返す。
いよいよ勝負の第5セット。互いに譲らず一進一退の攻防に。日本は気合の入る木村のスパイク、ここまで好調のベルブリンスカをしとめた井上のブロックなどで得点。ポーランドはここにきてサーブミスを連発。流れは日本に。栗原のライトスパイクが決まりついにマッチポイントを握ると、“1セット目と同じパターンだったので絶対に決めたいと思った”と、木村の意地のバックアタックがサイドラインいっぱいに決まり日本が劇的な勝利を飾った。
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