20101108-00000514-san-000-0-view.jpg 日本人のノーベル賞受賞者へは関心が集まりますが、他国のノーベル賞受賞者でもおもしろそうな研究があります。今年のノーベル物理学賞もその例で興味がそそられます。それを取り上げたこのような記事を、私がウェブ上で目にするのは今回が初めてです。ブログ記事にして残しておきます。グラフェンは、将来、有用な応用が期待される素材のようです。

カーボンナノチューブ

【科学】ノーベル物理学賞 電子が高速で動く炭素素材 (産経新聞) – Yahoo!ニュース

産経新聞 11月8日(月)9時3分配信
 物理学賞の対象になったグラフェンは、炭素原子が六角形の網の目状に並んだ単層膜。グラフェンが何層も重なった黒鉛(グラファイト)は鉛筆の芯の材料にもなるありふれた素材だが、原子1個分の厚さしかないグラフェンは不安定で「単層膜では存在できないのではないか」と思われていた。

 英マンチェスター大のアンドレ・ガイム教授、コンスタンチン・ノボセロフ教授は、黒鉛(グラファイト)から粘着テープで剥離(はくり)させるという思いがけない方法で、グラフェンを作成し、世界中の研究者たちを驚かせた。

 単層のグラフェンがユニークな点は、電子の振る舞いだ。通常の材料中では、電子はさまざまな障害にぶつかって流れが妨げられる。グラフェン上では電子の質量がゼロとして扱われる特殊な状態となり、障害も素通りできる。

 東京大理学部の青木秀夫教授によると、ガイム教授は国際会議での発表時、グラフェン上の電子を、質量ゼロと考えられていた素粒子にたとえて「鉛筆の中のニュートリノ」と表現していたという。

 グラフェンの「電子易動(いどう)度」はシリコンの10倍以上で、コンピューターの高速化などが期待される。黒鉛と同じ「半金属」なので、そのままでは基幹回路にはなりにくいが、ガイム教授らが作成に成功する前から、グラフェンに関する研究は行われ、青木教授も半導体にする方法を理論的に導いていた。今年1月には、米IBMが2層グラフェンを使った実験で、トランジスタの実用化にめどをつけている。

 グラフェンは量子効果によって光の透過率も高いため、太陽電池や液晶ディスプレーなどで不可欠な透明電極材料を置き換える可能性もある。

 六角形の網目構造を持つ炭素素材としては、サッカーボール状のフラーレンや筒状のカーボンナノチューブが先に発見されたが、グラフェンはそれらの基本素材とみることもできる。



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