『小泉政権 「パトスの首相」は何を変えたのか』内山融(うちやま・ゆう)/著 中公新書
 小泉政権に対する評価は、人それぞれで、学者と素人(私のような)の間でも評価は分かれます。また分かれて当然だと思います。ただし、当然政治学者の意見にも耳を傾けてみる価値はありそうです。この著者は、ある面で小泉政権を評価しているわけです。私と言えば、戦後史上最悪の「ワンフレーズ」説明の首相、近隣諸国の国民感情を考慮しないで靖国神社に参拝して(公約とは言え)ことさら韓国・中国を挑発した首相、アメリカに対しては追随することしか考えていない首相、若者たちや都市新中間層をまんまとだました首相(「受け」を狙う政治手法! 「善玉」vs「悪玉」、自分 vs 抵抗勢力)、というような印象を与え続けた人だと考えています。そして、彼個人の生活では変態趣味のある人物として記憶している。

 政治学者の評価を読んで気づくのは、評価する場合の切り口が多様で、言ってみれば素人(政治学の訓練を受けていない素人)には考えつかない点も多く、学ぶべき点がある。
 著者の小泉・自民党が無党派層の支持を得た要因としてあげている点は、

  • 第一に、小泉首相が郵政民営化を単一の争点として巧妙に設定したことである。
  • 第二に、小泉は典型的なポピュリスト的選挙戦術をとった「悪玉」対「善玉」の二元論的対立構図を印象づけた。
  • 第三に、有権者が党首イメージと政権の業績評価に基づいて投票した。

と、分析している。

 これを読んだのは、ちょうど1ヶ月前で「YOSAKOIソーラン祭り」の真っ盛りの時でした。それで、祭りの興奮のだだなかで記憶が飛んでいます!! 追々感想を追加していこうと思っています。

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